ルーツ調べはアメリカで二番目に人気の趣味
アメリカのルーツブームは最近ますます過熱している感があります。
ミシガン大学の人類学者ビバリー・ストラスマンは今年、「先祖調べはアメリカで2番目に人気のある趣味になった」と発表しました。ちなみに1番はガーデニングです。
また、先祖調べに関連するWebサイトはアメリカでポルノに次いでアクセスの多いサイトであることも報告されました。
収益性の高いWebサイト、テレビ番組(アメリカ版ファミリーヒストリー)、関連書籍、市販の遺伝子検査キットなどによって、アメリカのルーツ産業は10億ドル規模に急成長しているとのこと。
アメリカで最大規模を誇るルーツWebサイト(無料)はユタ州に本部を置く末日聖徒イエス・キリスト教会が運営しているFamily Search(ファミリー・サーチ)です。そのデータベースには何と54億人もの記録が登録されており、量、質ともにまったく他を寄せ付けていません。
課金制を導入しているサイトうち、アメリカでもっともアクセス数が多いのは、Family Searchからデータの提供を受けているAncestry.comです。本部はやはりユタ州にあり、ユタ州こそが、世界中のルーツ調べの中心地、発信地となっています。
そのAncestry.com を追っているのがイスラエルに本社を置くMyHeritage(マイ・ヘリテージ)です。この会社は近年、DNAを用いた遺伝子検査キットの販売で急速に販路を拡大しています。
三番手はFind a Grave。このサイトはユタ州ソレトレイク・シティ(やはりユタ州です)に住む男性が1995年に始めたもので、世界中の墓の写真データを2019年時点で実に1億7000万件もデータベース化しています。日本のネットで見られる墓石の写真といえば、有名人のものに限られていますが、欧米では一般人の家系調査の情報として墓の写真が利用されているのです。
このような先祖探し関連のサイトには、年間に約1億8,000万人もの人がアクセスしています。