菅生姓の由来

2019年11月02日


 俳優の菅田将暉さんの菅田を「すだ」と読ませるのは珍しいなと思っていたら、本名は菅生(すごう)さんとのこと。
 菅生は地名発祥の苗字です。大阪府堺市に菅生神社があり、この神社は菅生氏の氏神(祖先を祀る社)とされ、菅原道真を祀っています。
 語源も菅原と同じ。笠や蓑の材料になる菅の生えている湿地や草地のことで、「すが」が「すご」に転訛し、その後ろに発生を意味する「生(う)」が付いた形です。
 ただし、『播磨国風土記』の菅生山の項には面白い伝説が紹介されています。第15代応神天皇が巡幸のとき井戸を掘ると、その井戸から湧き出る水がたいへん清く冷たいことから、天皇が「わが心すがすがし」と言ったことにちなむという説です。「すがすがし」から「すごう」。いい話ですね。
 菅生さんは全国に約4700人ほどいて、千葉県と秋田県に多く住んでいます。 

 一方、菅田さんは一般的に「すがた」「すげた」と読み、東京都や広島県に多く住んでいます。こちらも地名発祥で、スは州浜、カは場所を意味する言葉、タも場所を示す接尾辞で、海辺の遠浅の砂浜を「すがた」と言いました。「すげた」の場合は、菅原・菅生と同じくスゲの繁茂地と考えられますが、「すがた」から「すげた」読みに変化したり、あるいはその逆もあったでしょうから、どちらの可能性もあります。