家紋の調べ方



自分の家の家紋が分かりません。知る方法はありますか?

 まずは菩提寺か、霊園にあるお墓を確認してください。そこに彫られていなければ、親戚の高齢者に訊ねてみてください。それでも分からなければ、古い写真を調べてみてください。着物に家紋が描かれていることがあります。それでも分からなければ、除籍を取り寄せてご先祖が江戸・明治時代に住んでいた本籍地を調べてください。そして、その本籍地に現在、同姓の家があるかどうかを電話帳で確認してください。全国の電話帳は紙物は大きな図書館にありますし、電子電話帳も販売されています。ネットでも電子電話帳を公開しています。探してみてください。

 ご先祖の本籍地(故地)に同姓がいた場合、除籍から知りえたご先祖を系図に書いて同姓の家に送ってください。この系図の中に聞いたことのある人がいるかどうかを訊ねるのです。そして、もしもいればその同姓はあなたの親戚です。家紋を教えてもらってください。その家紋が、まず間違いなくあなたの家の家紋です。現在、墓石に彫られている家紋が正確かどうか分からないという場合も、この方法で確認をとることができます。


うちの家紋は誰が決めたのか分かりますか?

 それはまず分かりません。通常、古い時代に書かれた家系図を見ても、家紋を使い始めた人物についての記載はほとんどありません。大名の伊達、黒田、山内氏、戦国大名の葛西氏などでは分かっていますが、これは特別な例です。ただし、家紋の形状から使い始められた古さを推測することはできます。家紋の歴史をたどってみると、時代が下るにつれて図形が複雑になり、外郭などのデコレーションが付けられていったことが分かっています。そういう目で家紋を見ると、丸のある家紋は丸の無い家紋よりも新しい可能性が高く、蔦などもシンプルな蔦よりは中陰蔦のほうが新しい家紋であることが分かります。これが何も記録が残っていない家の、家紋の使用起源を推測する限界でしょう。


本家と分家で家紋が違うんですが、なぜですか?

 本家と分家は苗字を変えて本支関係を明らかにすることもあれば、家紋を変えて区別することもありました。家紋の場合、分家の家紋は本家の家紋に比べると複雑化しているのが一般的です。丸などの外郭を付け加えることもありました。そもそも近世の村落における同族という概念は広く、元は奉公人であったり、その家に草鞋(わらじ)を脱いだ他人をも含むことがありました。そういう非血縁の擬制同族を持っている場合、これを家紋の違いによって区別しようとしたのです。家系調査を行う場合は、ご先祖が住んでいた地域に住む同姓全員にアンケートを送ることをお勧めします。これによって同姓間の本家・分家関係、家紋などのデータを集め、系図化すると、その地域の同姓がどのようにつながっているか、またはつながっていないかが明らかになるからです。このような同姓調査は個人の家系調査の枠を超えて、地域史研究に貢献する本格的な調査ということができます。


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